適切な排便の援助方法

stevepb / Pixabay

「下剤を飲まなければ、全然便が出ない...」
「便が出るけど、一回に少ししか出ない...」
「いつもこの態勢で排泄しているけど、本当に正しいの?」

等、排泄に関して、
沢山の疑問があります。

病院や施設、そして自宅、
毎日のトイレの介助やオムツ交換等、
排泄のお手伝いは本当に大変です。

勿論、介護者だけでなく、
介護される側もそれ以上に大変です。

何とかしたいけれど、
どうにもならない。

そんな現状があらゆる場所で起きています。

しかし、
人間にとって排泄という行為は、
とても大切であり命に直結する機能です。

どれだけ規則正しく、
自然な排便に近づけるかが大切となります。

ここでは、
介護される側の心理面、排泄の体位等、
普段あまり詳しく話されていない面も含め、
ご説明してゆきます。

 

*備考といたしまして同サイト内の

①消化、吸収から排便までのメカニズム
http://kaigojoho.com/defecation-mechanism

②高齢者の便秘の原因と対策
http://kaigojoho.com/elderly-constipation

 

上記①、②を読んだ上でこのカテゴリーを見て頂くと、
さらに解り易く理解出来ると思います。
是非参考として下さい。

 

 

 

 

1.日本人の排泄心理

1-1 日本人の羞恥心

まずここでは、
日本人の排泄に対する心理からお話しいたします。

突然、排泄の心理?
と思うかもしれません。

しかし、
日本人は世界から見ても、
排泄に対して、特に排便に関しての羞恥心が強いです。

最近では男性トイレでも排泄時の音を消すための、
「流水音ボタン」の設置が見られます。
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引用元:http://toilet.blog.shinobi.jp/PS/111/

また、
外国人女性が日本で一番びっくりしたのは、
排泄音を消すための「流水音ボタン」だったという話も聞くくらいです。

これだけでも、
日本人は羞恥心に対して、強い心理をもっているのです。

勿論介護の場では、カーテンをしたり等、
最低限度の気遣いはあります。

しかし、
これから説明する心理を知った上で、
介護を行う事により、与える影響が大きく変わってきます。

また、このように羞恥心(心理)に対して、
多くを説明するサイトも少ないです。

では初めに、
心理に対しての説明からお伝えしてゆきます。

 

 

 

1-2 羞恥心の原因

適度な運動や、食物繊維の摂取、
生活のリズム等は、とても大切な事であり、
腸の動きを高めて排泄を促します。

しかし、
腸の動きは自律神経に支配されているので、
羞恥心等のストレスによって、
腸の動きがうまく機能しなくなり便秘となります。

自律神経=交換神経副交感神経の2つからなります。
交感神経=活動、緊張、ストレス    (活動モード)
副交感神経=リラックス、ゆったり、眠る(休息モード)
となっております。

排便時は副交感神経が優位(休息モード)となり、
いわゆるリラックスしている時に便意のサインが出ます。

では、日本人の羞恥心が強い原因としては、
幼少期からの様々な教育や、体制等が挙げられます。

それを便秘の心理に例えると、
「便を出す事はかっこ悪い」「便は汚い」
大人になったって人を罵声するときに、汚い言葉を聞く事があります。

そして便をする事が自分で意識している以上に
かっこ悪い、ダメな事だと刷り込まれています。

女性が便秘がちなのは腹筋が弱いからと、
聞くこともあります。

しかし、
現に腹筋が全然なくとも、
快適な排便生活を送っている女性は沢山おります

女性だからこそ、
「美しくなければ、つつましくなければ」と教えられ
男性よりも心理レベルで「排便は良くない」と感じている事が多いのです。

その事からも女性の方が便秘になりやすい、
と、言われております。

私達が思っている以上に、
羞恥心による排便の影響は大きいです。

便を出す、という心理をしっかり理解し、
その羞恥心に対しての細かな対応、援助が必要です。

例として挙げると、
排便に対してのストレスが強く、
便秘がちであった方がおりました。

しかし、羞恥心に対しての配慮方法を変えただけで、
生活全体に大きな改善が多々ありました。

心理的にはもっと深い所で関係があると言われています。

 

 

 

 

2.排泄時の具体的な配慮

では、
具体的にどのような配慮をしてゆけば、
介護される側の羞恥心(ストレス)が減るのでしょか?

とても大切な事として、
周囲の目、排泄時の音、臭い、に対しての配慮が特に重要です。

やむ負えない理由でベッドでの排泄となった方、
高齢者だけではなく、骨折等によって動けない若い方もいます。

{具体策}
1・出来るだけ、トイレへ連れていく!
まず一番初めに考えて欲しい事です。

疾患や、症状、急性な原因等と様々あり、
ベッドでの安静を余儀なくされている場合は仕方ありません。

しかし、
大変かもしれませんがこれが一番大切です。

実際の現場では、
介護者の負担が増したり、転倒の危険性や、
なかなか上手くいかない等のジレンマが飛び交います。

そんな中でも、
見事にトイレでの排泄を確立できる方々もおります。

ベッドでは排泄できなくても、
トイレでなら出来る。

「トイレは気持ち良かった」という声はやはり多いです。

羞恥心に配慮で出来るだけでなく、
身体機能も回復する等、メリットはかなり大きいです。

トイレに行く為に、
リハビリを頑張りだす方もおります。

しかし、現実には難しい場面も多々あります。

・トイレに行けない場合はカーテンの使用、
・肌の露出を最小限にする
・タオル、便器も温めておく、
・臭い消しを置く(換気を速やかに行う)
・排泄物は速やかに片づける

ここで、大切な事は
ベッド上であっても、トイレであっても、たとえオムツであっても、
「排便があった事をちゃんと褒める」「笑顔で褒める」

高齢の方がほとんどなので、
「褒める」と言い方とは少し違いますが、
排泄出来た事をしっかりと認め、排便は大切な事でり、
素晴らしい事として、笑顔で声をかけて下さい。

この事が心理的に大きな効果を発揮します。

継続してゆくと、
汚い、恥ずかしい行為 → 褒められる行為
として少しずつ変わってゆきます。

時間はかかるかもしれません。

人によっても効果は様々です。

しかし、
現場にて数多く目の当たりにしております。

基本的な排泄援助よりも、心理面での援助のほうが、
大きな効果を発揮するのでは?と思う事が多々あります。

私達も動物であり
そして心を持った人間です。

一人一人が心理を理解した上で、
配慮をすれば色々な方法があるはずです。

 

 

 

 

 

3.排泄時の体位

 31 排便時の体位

ここでは、
寝ている時、座位となった時の違いを説明します。

 

 

2

引用:https://www.kaigo-web.info/kouza/maeuke/no2/image/haiben-hansya.gif
排便メカニズム‐介護支援より

図1.が寝ている状態での画像です。

便の出口が山のようになっており、
これを乗り越えて排泄しなければなりません。

お腹に力も入りずらく、
排泄にはとても不向きです。

さらに寝たきりが長く続くと、
全身の筋肉の衰えや神経にも影響を及ぼして、
便や尿をしたいという感覚が失われやすくなってゆきます。

例えば、オムツを使用する事によって、
本人や介護者の負担軽減につながる状況もあります。

しかし、それによりオムツに依存してしまい、
大切な排泄感覚が失われてしまう事も、
考慮してゆく必要があります。

{対策}

・お腹を温める
(やけどをしない温度の湯たんぽ、お湯漏れに注意)
・お腹をマッサージする(左周りに円を描くように)
・座る事が出来れば起坐位を取って足のマッサージをすると刺激となります
(ベッドで頭側だけを高くし、足をのばしたまま状態を上げます)
・寝たままでもゆっくりと時間をかける等

チームや家族での話し合い、
そして本人の意向を出来るだけ考慮して行う事が大切となります。

 

次に上記の図2.を見て頂くと、
図1.のような遮る山がなく、便が出やすい事が解ります。

お腹に力も入れ易いです。

3

引用:https://www.kaigo-web.info/kouza/maeuke/no2/image/haiben-hansya.gif
排便メカニズム‐介護支援より

ベッド上での排泄は、上半身を挙上して、
膝を屈曲させた腹圧をかけやすい体位が基本とされております。

さらにトイレや、ポータブルトイレに座れば
ベッドよりも腹圧がかけやすいです。

私もほぼ寝たきり方を介助して、
トイレを使用して頂いた事が何あります。

しっかりと便が出て、
「数カ月振りにスッキリした」と話されておりました。

そのような時は、
職員の気持ちにも明るさが灯ります。

全身の拘縮等で完全に寝たきりとなってしまう前に、
本人にとって、何が良いのかを考慮する事が大切です。

拘縮=筋肉が何かしらの原因で固まってしまったり、
関節が動かなくなってしまった状態を拘縮といいます。

 

 

 

 

32 最新!排便時の座り方

下記の図の体制で排便をするとさらに効果が表れます!!

解剖的に、とてもお勧めな体位となっております。

私自身は特に便秘ではないですが、
この方法で改善されている方は多いです。

そして、
私自身も一回の排便量が確実に増えました。

素晴らしいです。

4

引用元:驚愕!事ほとんどの人が間違えているトイレの座り方・正しい座り方
http://neta-reboot.co/2604/3/

「簡単に説明すると直腸や肛門が広がってくれる」
といったイメージです。

踏み台に足を乗せた姿勢のほうが、
便が出やすいというのは研究結果からも、
しっかりと報告されております。

最近では、
専用の商品まで売られております。

日本の「和式便器」を使用する体位(しゃがむ)と同じ効果です。

やはり、日本の伝統、
古き良き日本の和式はとっても良いという事ですね。

100円均一とかの台でも十分ですので、
まずは自分から、是非ともお試し下さい。

 

 

 

 

 

4.まとめ

介護は机上で述べられている事と違う面も多々あります。

今回説明した「心理面」や「トイレの座り方」を見ても、
あまり周知されておりません。

リハビリをして、立てる、歩ける、食べられる、
そして、トイレに行ける事、
失った何かを取り戻す事は素晴らしいです。

しかし、
それが本当に正しい事だとは限りません。

自宅を含め、現場は大変です。

怒りや、優しさ、落胆、喜び、
介護する側、される側、様々な現実があります。

お互いにとって、心から求めている事に、
出来るだけ近づけてゆきたいです。

 

 

 

 

 

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