消化、吸収から排便までのメカニズム

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人間の体には消化、吸収、排泄という機能があり、
人が生きてゆく上で、一番重要と言える機能の一つです。

各臓器との関連性、繊細さや力強さ等、
私達が意識しなくとも機能してくれています。

まさに人体の神秘と言えるでしょう。

ここでは、
一連の流れを簡潔に解り易くご説明いたします。

 

 

 

・目次

 


1.食物、口から10メートルの旅へ

 

口に食べ物を入れてから、
どのような過程を辿り便となって排泄されるのでしょうか?

・食べ物を口に入れてから→2消化→吸収→3便になって肛門から排泄されます。
(口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→直腸→排泄)

口から肛門まで、食物の通り道を消化器管と言います。

 消化器管:口から肛門にいたるまでの約10メートルの道筋を言います。

ゆっくりと人体を巡る長い旅の様です。

 

図1消化器管

1

口から肛門まで10約メートル!!
引用元:国立循環器病研修センター(循環器病情報サービス)
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/treatment/diet01.html

ではここから、
自分が食べ物になったつもりで10メートルの壮大な旅に出ましょう!!

 

 

 

 

2.口から食道までの道のり

 21 噛む、唾液、嚥下

食べ物を口に入れてよく噛みます。

おいしい!
と感じた場合には唾液の量も増加します。

唾液に含まれる酵素は消化を助けます。
(よく噛む事は胃腸の負担を軽くして、便秘予防となります)

唾液をたっぷりと出して、
よく噛む事が最初のステップですね。

唾液に含まれる消化酵素:唾液は1日に1~1.5ℓが分泌されます。

その中には消化液、口腔粘膜の保護、殺菌、抗菌、等
様々な働きをする分泌物があります。

では唾液から出る代表的な消化作用を持つ酵素を、
3つ説明してゆきます。

 

1、アミラーゼ

膵液や唾液に含まれる酵素です。
炭水化物のでんぷんを消化する役割を担っています。
でんぷんを消化して麦芽糖に分解します。
炭水化物といっても、お米、イモ、砂糖、豆、野菜、果実、
藻類、魚介類菓子、調味料、加工品、とあらゆる物に入っています。
それだけアミラーゼの役割も大きいと言えます。

 

2、マルターゼ

マルターゼは非常に高い消化機能を持っています。
麦芽糖(二糖類と言って、砂糖の仲間、甘さは砂糖の三分の一程です)をぶどう糖に分解します。
小腸で主に出ている消化酵素と考えて下さい。
麦芽糖の状態ではまだ吸収ができない状態ですが、
ぶどう糖に分解されやっと吸収できる状態になります。

簡単にまとめると、
アミラーゼ→でんぷんを消化して麦芽糖に分解します。
マルターゼ→麦芽糖を分解してブドウ糖に変えます。
(この時点で身体に吸収出来る状態となります)

 

3、リパーゼ

主に膵臓で分泌されます。
脂肪を分解する消化酵素で、分解された脂肪は、
血液中へ溶け込んで、各臓器のエネルギーとして運ばれます
「脂肪分解酵素」という言い方をします。

 

 

 

 22 飲み込んで食道へ

 次に、
食物を噛み、細かく砕かれ、唾液と混ざります。

そして飲み込むと食道を通過します。
食道は成人で約25㎝、直径2㎝、の楕円形をしています。

実は重力で落下するのではなく、
壁にある運動によって食物を胃に送ります。

牛?の様に寝て食べても食物が送られるのはこの運動のお陰です。

食道粘液の分泌もこの運動を助けています。

 

図2

2

引用元:解剖、生理、栄養の覚え書き
http://apnu0622.blogspot.jp/2010/08/blog-post_3924.html

 

 

 

 

3.胃と腸でもみくちゃに

31 胃

食道から胃に入った後は、かなり強い酸性の胃液や、
胃の中で20秒間隔で起こる収縮運動により、
ドロドロの状態に溶かされます。

ドロドロの、
“お粥”の様なイメージですね。

強い塩酸は食物についている細菌を殺菌したり、
腐敗を防ぎます。

さらに胃の運動を高めて、
消化液の分泌を促します。

この胃酸が肌についたら、
肌はただれてしまう程です。

胃の中では主に糖質が1~2時間、
蛋白質が3時間、脂質が4時間程滞留します。

溶かされた後は十二指腸に送られます。

 

 

 

 

32 十二指腸

十二指腸の長さは約25㎝で、
指を12本横に並べた位の長さなので、
このように呼ばれております。

実際はそれよりも、
もう少し十二指腸の方が長いのです。

十二指腸の代表的な役割として、
唾液の消化酵素でも説明した膵液、
そして胆汁分泌の役割があります。

さらに小腸から分泌された消化液も混ざります。

ここで、
蛋白質、炭水化物、脂肪等を分解します。

この消化酵素の働きによって、
さらに消化され小腸へ送られます。

十二指腸での滞在時間は2~4時間程です。

 

 

 

 

33 小腸

小腸まで来ました。
図3.を見ると旅の中盤といった所でしょうか、

たまに図1.の全体像を参考に
旅のルート確認をしてみて下さいね。

小腸は空腸と回腸に分けられていて、
蛋白質、炭水化物、脂肪の、
3大栄養とビタミン、ミネラル、水分が吸収されます。

消化管の中で最も長く7~8mあり、
上部の3分の1の部分でほぼ栄養が吸収されます。

小腸の内側を広げると、
200㎡ = 122畳 = 60.50坪位になります!!
凄いですね。

小腸での滞在時間は4時間程となっております。

小腸では食べ物に含まれている栄養素と、
水分の約8割が吸収されます。

 

図3

3

引用元:消化器(しょうかき)の勉強をしよう
http://www.skmc.jp/anime/child/syoukaki/syoukaki1
栄養素は腸の血管から肝臓へと運ばれて身体に送られます。

吸収された残りの食物は大腸へと送られます。

 

 

 

 

 

34 大腸

さあ、
旅の終盤にかかってきました。

大腸の長さは約1.5~2mあります。

大腸は盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、
直腸、を合わせて言います。

大腸へは、
栄養分がほとんどないドロ~ットとした液状のものが送られ、
そのドロ~ットしたのものからさらに少しずつ水分を吸収し、
固まってゆきます。

大腸の内容物は90%以上が水分であり、
便を丁度良い硬さに調整する役割もあります。

下行結腸(半固形) → S状結腸(固形)となります(図3)

そして肛門へ運ばれる頃には、
水分のほとんどが吸収されて硬くなっており、
便が出来上がっています。

水分が吸収された残りかすが 便 となって直腸へ運ばれます。

 

 

 

 

4.フィナーレ、直腸から肛門そして排便へ

41 直腸と肛門

直腸です、
いよいよ旅のフィナーレです。

直腸に便が運ばれると脳にサインが送られて排便指令が出ます。

すると便意が起こります。

直腸が収縮し、
肛門括約筋が緩んで便が排泄されます。
図4

 4

引用元:直腸内投与前後の観察ができる
http://看護師国家試験.co/technique/?p=253

 

肛門括約筋:排便時、肛門を広げたり縮めたりする筋肉です。

不随意筋内肛門括約筋と、
随意筋外肛門括約筋とからなります。

内肛門括約筋不随意筋で、
自らの意思では動かせず常に締まる状態にあります。

内臓の筋肉等もそうであり、
心臓は心筋とよばれ不随意筋に入ります。 

外肛門括約筋:随意筋で、
自らの意思で動かせ排泄等の場合に機能します。

腕、足の筋肉、腹筋、背筋等、
意識的に自由に動かせる筋肉です。

 

 

 

42 排便

普段は内臓の筋肉と骨格の筋肉によって、
便が肛門から漏れない状態となっています。

直腸と内肛門の筋肉は不随意筋な為、
意識をしていなくとも直腸に便が貯まってゆくのです。

ある程度の量の便が貯まってくると、
その刺激によって肛門の筋肉が緩んで、
便意を感じる仕組みです。

その時には、
随意筋である外交門括約筋で肛門を緩め便を出す事が出来ます。

食べ物の内容や水分量によって異なりますが、
ここまでの全過程で口に食物を入れてから、
大体24時間~72時間と言われております。

1日~3日間の旅もここで終了となります。

 

 

 

 

 

5.排便に必要な力

ではここで、
排便に必要な3つの力を説明します。

1.お腹に力を入れて、ふんばる力です。
主に横隔膜や腹筋の力を使って、いきみます。

横隔膜:胸腔と腹腔との境になっている部位にあり筋肉と腱で構成されています。

いきみは肛門へと向かい、
便を出そうという力です。

図5

5

引用元:キモチよく、カラダキレイにココロキレイに♪より
http://fanblogs.jp/koso/archive/399/0

 

2.腸が便を押し出す力です。
直腸が収縮して便を出す力となり、
無理にいきまなくとも、便がスルット出ます。
より自然な排便感覚と言えます。

3.正しい姿勢も大切です
一般的にはやや前屈みとなった姿勢が、
適していると言われております。

しかし直腸の解剖から考え、
便座に座り両足を台等に乗せると理想的な形となります。

和式便所での形に似ております。

詳しい図は、
このカテゴリー欄の「排便の介助」に掲載しておりますので参考にして下さい。

 

 

 

6.まとめ

糖や消化酵素等、
複雑な説明もありましたが、
追求すれば果てしない学びとなります。

解剖図も含めて食物の停滞時間等、
なんとなくでも思い出して頂ければ、
現場や自宅でも何かのヒントになると思います。

是非ご活用下さい。

 

 

 

 

 

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