高齢者に潜むうつ病

geralt / Pixabay

「うつ病」耳にした事はありますし、
気分が落ち込む、とか悲しいとか、
その様なイメージを抱くかと思います。

生きていれば、
様々な気持ちの変化がありますので、
なんとなくその気持ち、解るかもしれません。

子供だろうが、大人だろうが、
日々色々な気持ちや思いが、身体を巡っています。

100人いれば100の思いが…、
感情が…。

ここでは、うつ病の説明、
そして、高齢者におけるうつ病について
詳しくご説明いたします。

 

 

 

 

1.うつ病とは

うつ病とは、
まず、誰にとっても身近なもの、
と考えて下さい。

「心の風邪」
という例えもある程です。

うつ病の患者は増加しており、
約73万人に及ぶと言われております。

又、16人に1人が生涯を通して、
うつ病を経験しているとも推定されています。

その事からも、
うつ病は誰にとっても身近な病気と言えます。

人は生きている限り、
様々な気持ちや体調の変化があります。

寂しかったり、悲しかったり、落ち込んだり、
だけど、その日のうちに気分が戻ったり、
長くとも、数日もすると落ち込んだ気分から回復し、
また頑張ろう、という気持ちになれます。

しかし、「うつ病は」一時的な気分の落ち込みではなく、
原因が解決しても、気分が沈んだまま、であったり、
ほぼ毎日、言葉では表現できない程の、
憂うつな気持ちが続きます。

強い憂うつ感が長く続く場合は、
普段の生活を送るのが困難となったり、
原因がないのに沈んだままの状態が、
「うつ病」です。

なかなか定義づけは難しいですが、
厚生労働省によると。

「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」
などと表現される症状を抑うつ気分といいます。

抑うつ状態とは抑うつ気分が強い状態です。

うつ状態という用語のほうが日常生活でよく用いられますが、
精神医学では抑うつ状態という用語を用いることが多いようです。

このようなうつ状態がある程度以上、重症である時、
うつ病と呼んでいます。

引用元:URL:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_depressive.html

 

11うつ病の症状  

 うつ病には大きく分けて、
精神症状身体症状があります。

精神だけでなく、肉体にも影響が現れます。

朝に症状が最も出やすく、
夕方にかけて回復しやすい傾向があり、
これを繰り返す事が多いです。

精神症状として、
理由もないのに悲しい、寂しい、不安や焦り、
眠れなくなることも多く、逆に眠気を我慢出来ず、
眠っても、眠っても、眠い、等あります。

食べ物の味が解らない、食欲がなく体重が減少してしまう、
1~2か月で5~10キロも体重が減少してしまう事もあります。

何もする気が起きない、なんとか行動しても、
集中力が続かない、好きな事ですらやる気が起きない。

考えがまとまらない、反応が遅い。

 そして妄想が出現する事もあります。

妄想=現実にあり得ないことを真実だと思い込み、
考えを訂正させようとしても訂正不可能な、
間違った考えを言います。

・1次妄想とは、
心理的に何故そう思うのか理解が出来ない妄想、
統合失調症などでよく認められます。
誤った確信を持ってしまい、他者が理解できない。

例えば、「盗聴されている」「100億円当たった」等、
他者から見ても、全く理解が出来ません。

・2次妄想とは
心理的に何故そう思うのか理解できる妄想、
うつ病や躁うつ病によく認められます。
(心理的背景から理解出来るもの)

例えば、「重篤な病気にかかった」「悪い事をしてしまった」
等、妄想であってもなんとなく背景は理解出来ます。

うつ病での妄想は2次妄想であると言えます。

身体症状として、
長く継続する憂うつな気分にから起こる、
ストレスからの発熱、頭痛、肩こり、動悸、
めまい、発汗、吐き気、便秘、腰痛等、
自律神経の異常により起こります。

自律神経=消化器、循環器、呼吸器等の活動を調整する為、
24時間働き続けている神経です。

不規則な生活やストレスによって、
自律神経の働きが乱れると、
体にさまざまな不調が現われます

更年期等、年齢によっても、
ホルモンバランスが乱れてうつ病が発生し、
性欲減退、生理不順等も見られます。

これらは、内科等を受診しても、
なかなか原因が解らない事もあります。

このように鬱病は、
全身の症状として、年齢、環境等、
様々な影響から多彩に現れます。

 

1-2うつ病の重症度

(軽度、中度、重度)

うつ病にも重症度があり、
軽度、中度、重度と分類されています

①典型的な症状として

1抑うつ気分2喜びや興味の消失・3易疲労感
が最も典型的な症状と言われております。

②症状(うつ病エピソード)の診断材料として、
さらに下記があります

・集中力と注意力の減退(焦燥感や物事を考えられない等)
・自己評価と自信の低
・将来に対する希望のない悲観的な見方
・死について考えてしまう、自殺を考えている
・睡眠障害(不眠、睡眠過多)
・食欲減退

 基本的に、①、②のこれらを踏まえて診断してゆきます。

 

「軽度」

症状はありますが、
鬱病の症状、全てがある訳ではありません。

むしろ一般的な症状が少ない事もあります。

本人が辛さを感じていても、
周りが気がつかない事もあります。

日常の生活に困難は感じていますが、
大きな支障なく行えている状態でもあります。 

①典型的な症状が少なくても2つあります
②の症状が少なくても2つあります
②の様な気分が最低でも2週間は継続しています。

「中度」

自らの症状の感じ方や、
周囲から見た様子も変化しています。

日常生活において、出来る事と、
出来な事がだんだんと表れてきます。

家庭や社会生活においては、困難な状況でもあります。

①典型的な症状が少なくても2つあります
②の症状が少なくても34つあります
②の様な気分が最低でも2週間は継続しています。

 

[重度]

症状が著しく表れて、
「この世から消えてしまいたい」等と、
自殺の危険性も高い状態です。

日常生活がほぼ困難となってしまいます。

①典型的な症状が3つ全てあります
②の症状が少なくても4つあり、症状が著しいです
②の様な気分が最低でも2週間は継続しています。

しかし、症状がきわめて重症であり、
発症が急激であれば、期間に関係なく診断がされます。

又、軽度、中度、重度共に、
日によっても気分に違いがあったり、
個人差も大きいです。

血圧の数値や、血液データ、写真等での
判断では確定出来ない所もこの病気の難しさです。

下記の「うつ病自己チェックシート」も参考にしてみて下さい。

1

図1.引用元:http://kyoto-kokoro.org/disorder/depressed.html

 

1-3うつ病の原因

実は、はっきりとした原因は解っておらず、
「原因はこれです」と言い切る事は難しい疾患です。

一般的に、ストレス、環境の変化、身体の病気、
脳内の伝達物質による影響等、色々な要因が重なり、
発病すると考えられています。

単一の原因からだけでなく、
複数の原因によって発症すると言われております。

うつ病の原因は、大きく分けると3つの要素があります。

1、外的要因(仕事、環境、家庭等からのストレス)
2
、内的要因(自分の中にある原因、性格、ストレス耐性など)
3、遺伝的な要因

 

1、外的要因

外因性うつ病は、
ケガや病気を原因として発症します。

招きやすい病気として「癌」、「糖尿病」、「心筋梗塞」、
「頭部への外傷や脳梗塞」「薬の副作用」、
「甲状腺機能低下症」等があげられます。

・癌、糖尿病等、
癌患者の2割が鬱病に罹っていると言われており、
進行状況によって、その割合は増えてゆきます。

糖尿病でも2割の方が罹っているというデータもあり、
癌や糖尿病共に身体的な痛み、経過がなかなか思わしくない、
治癒しない事によるストレス等、
様々な苦痛から発症すると言われております。

・脳疾患によるもの
うつ病と脳梗塞には密接な関係があります。

脳梗塞は脳血管の一部が詰まり、
その部分の組織が機能しなくなります。

脳にある気分や感情に関わる神経細胞が破壊されれば、
感情をコントロールする物質の流れが悪くなります。

すると、うつ状態と同じ症状が引き起こされてしまいます。

また、脳血管障害による後遺症などで、
自分の人生を悲観して、うつ病を発症してしまう事があります。

・治療薬の副作用によるもの(薬剤性うつ病)
ステロイド、血圧の薬、胃薬、抗がん剤の薬等でも、
心身のバランスを崩してうつ病が発症してしまう事もあります。

抗うつ薬によっても、内服量や期間によって、
逆にうつ病を悪化させる事もあります。

薬をいつから使用して、鬱の症状が出たか、
増量した時期等も大切になってきます。

 

・甲状腺の機能低下によるもの
甲状腺とは人間の首の辺りにある内分泌器官です。

甲状腺からは、様々なホルモンが分泌されています。

甲状腺ホルモンが、うつ病と関連しており、
甲状腺ホルモンが減ると、
倦怠感や、神経伝達物質の一種であるセロトニンの、
分泌バランスが崩れ精神的に不安定となります。

これを、「甲状腺機能低下症」と言います。

セロトニン=セロトニンは、心のバランスを整える作用があります。

セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れ、
暴力的となったり、うつ病を発症すると言われております。

私の経験に基づいた「セロトニン」についてお話しいたします。

人間の幸せホルモン(セロトニン)の、
9割は腸から放出されていると言われています。

脳内のセロトニンと、腸内のセロトニン、
その関係は現在も研究が進行中ですが、
脳と腸も絶妙なバランスをとっております。

そして、腸の環境が精神に大きく影響しているのは、
紛れもない事実と言えるのです。

実際に臨床の現場で、うつ病になった方々が、
腸内環境を整えるだけで、うつ症状が良い方向に変化したり、
かなり改善したのを何度も目にしました。

一言で言うと、排便をコントロールして、
(便をしっかりと出して、腸の中を綺麗にする)
腸の環境を安定させる事も非常に大切なのです。

実は鬱病に便秘の方が著しく多いのです。

便秘は腸の働きが低下するので、
セロトニンの多い食材をいくら食べても、
吸収が期待できません。

栄養自体の吸収も悪くなってしまうので、
身体の活力自体も低下してしまいます。

さらに人間の免疫は腸で7割も作られている、
と言われております。

それらを考えただけでも、
腸は身体や精神に大きく関わっており、
排便をコントロールする事も、鬱病の改善に繋がります。

便秘については、同カテゴリー内にあります
「高齢者の便秘の原因と対策」
「適切な排便の援助方法」
を合わせて読んでいただくと参考となります。

外因性の場合、原因となっている脳疾患や外傷が治癒出来れば、
鬱も好転するという特徴を持っています。

内因性うつ病

内因性うつ病は、外的な原因が見当たらずに、
「身体の内側」に原因があると考えられます。

原因の多くは不明ですが、鬱病を起こしやすい気質(性格)が、
原因に当てはまるものと見られています。

 

・循環気質

陽気な気質がある場合には「躁」に傾きやすく、
物静かで柔和な気質がみられる場合には、
「鬱」に傾きやすいとされています。

「躁」の時には、大変行動が活発であり、
気分がとてもよくて、仕事や家事など勢いよくこなします。

しかし反面、何かの反動や刺激で落ち込んでしまう、
といった性格の人が多いです。

これは「躁鬱病」と言い、
性格的に循環気質と言われております。

 

執着性格

完璧主義、正直、几帳面といった特徴がみられます。

正義感や責任感が人一倍強く、凝り性、
周囲からは模範的と見られ信頼も厚いです。

しかし、真面目すぎて融通がきかない面もあり、
休憩とのバランスを取る事が難しく、
うつ病になりやすい傾向があります。

 

メランコリー親和型性格

とても几帳面、責任感、完璧主義であり、
執着性格と似ておりますが、
それに加え、秩序や調和を重んじる常識人、
人と争うのを好みません。

人に頼まれると断れないといった性格もみられます。

断れない「弱気」といった面もあります。

人に気を使い過ぎてストレスを溜め込みやく、
それにより鬱病を発症してしまいます。

内因性の場合、原因を特定しにくい為、
治療が困難になりやすいと言えます。

 

3、遺伝的な要因

血縁のある親族にうつ病の人がいると、
家族内に発症しやすい傾向にあります。

発症に遺伝的要因が関与していることが解っており、
親子、兄弟の近い親族にうつ病の人がいると、
発症は1.5~3倍多いとされています。

遺伝的要因はあくまでも発症リスクを高める原因の1つであり、
さまざまな原因が絡み合い、発症すると考えられています。

 

 1-4うつ病の診断

1-2うつ病の重症度、
でも診断についてご説明いたしましたが、
ここではさらに、
1、精神科医師による診察 2、診断基準との照らし合わせ 3、心理検査
上記の1~3を加えてご説明いたします。

1.精神科医師による診察 図1.に挙げたような診断基準でも、
参考となりますが、やはり医師による確認が必要です。

目に見えない部分や、雰囲気、正常の範囲内なのか、
本人はあまり感じていなくても、治療が早急に必要か、
等、会って診察するのとでは全然違うのです。

実際に、
・一番困っている事や苦しい事、
・いつ頃から調子を崩したのか?原因等、
・生活への影響、罹っている病気や既往歴、
・家族関係等

それらをじっくりと観察しながら、
1-3で挙げた様な、要因や気質含め、診断材料とします。

 

2、診断基準との照らし合わせ

これは、1-2で説明した
①典型的な症状として
1抑うつ気分2喜びや興味の消失・3易疲労感の最も典型的な3症状と、
②症状(うつ病エピソード)
①、②を基準としてうつ病と診断されます。

 

3、心理検査

医師であっても、
診断に対して時には迷いがあります。

心理検査は診断の補助的な検査と言えます。

他にも、身体の異常がないか、
(血糖値、甲状腺、肝臓、血圧、)等、
尿検査や血液検査も行います。

 

 

 

2.うつ病の治療

うつ病の基本的な治療は、
「十分な休息」「薬」「精神療法」という
3つで治療が進められていきます。

「十分な休息」
気質(性格)から見ても、責任感が強く、
真面目な方が多い傾向です。

思い切って仕事から離れて入院する等、
長期的な休養が快方に向かう方法です。

とにかくまずはゆっくりと休む、
病院でも、家でも何もせずに過ごす事が大切です。

 「薬」
うつ薬の投与は、うつ病治療における代表的な方法です。
・抗鬱薬=抑うつ気分や不安感、焦燥感を解消させる働きを持ち、
意欲等の好奇心を喚起する働きを持ちます。

・抗不安薬=不安を静める作用を持つ薬です。
特に不安感や焦燥感が強い場合に使用されます。

人によって効果に違いはありますが、
うつ病の治療薬はすぐに効果が現れるものではありません。

焦らずに服薬を継続する必要があります

 

「精神療法」

カウンセラーの指導のもとで、ゆっくりと克服していく方法です。

マイナス思考に支配された考え方を、
徐々にプラスの方向に変えていきます。

客観的に整理出来る様になれば、
うつ病の再発予防にもつながってゆきます。

 

うつ病の防法

1.定期的な休息、運動

汗をかく事でストレスの発散ともなり、
健康面でも向上します。

日光を浴びるだけでも鬱の改善に繋がったという、
事実もあります。

天気の良い日の散歩等も効果的と言えます。

日照時間が少ない時期に起こる、
「冬季うつ病」があり、秋~冬にかけ、
うつ傾向が強くなります。

身体を動かすだけでなく、温かい湯につかり、
睡眠時間もしっかりとりましょう、
眠気を感じたら仮眠でもいので、
取れるのであれば休息を取って下さい。

複式呼吸も精神を安定させる効果があります。

下記の図を参考にしてみて下さい。

2
図2.引用元:https://matome.naver.jp/odai/2142623826371570301

 

2. バランスの取れた食生活

1-3鬱の原因でもご説明しました、
セロトニン(脳内の神経伝達物質)
セロトニンは蛋白質を含む食材に多いです。

肉類、乳製品、納豆等にも多く含まれています。

それに加え、大豆、バナナを一緒に摂取すると、
さらに効果的です。

しかし、肉も野菜も、果物も含め、
バランスの取れた食事を摂取する事が大切です。

 

3.自分の考え方の視点

気質(性格)的な面で、
やはり責任感が強く、完璧主義の人に多いです。

一度、鬱から回復しても、仕事に復帰すると、
性格上、妥協を許さず、
ミスのない結果を求めてしまいます。

しかし、必ずしも臨んだ結果に恵まれるわけではなく
それにより感情の変化が起きて、再発を繰り返してしまいます。

カウンセラーと精神療法行い、柔軟な思考を得る事、
自分の考え方を客観的に見れる事も必要です。

しかし苦しい時、なかなかそこまで、
「自分」を見る事は難しいと思います。

まずは、自分で解決できない事について、
上司や同僚に相談してみる事がとても重要です。

「相談する事」が大切で、
同僚でなくとも、かかりつけの医療機関
家族、専門家等、是非ともどなたかに相談して下さい。

又、ストレスに気が付く、
気を付けるという事も必要です。

・集中力と注意力の減退(焦燥感や物事を考えられない等)
・自己評価と自信の低下
・将来に対する希望のない悲観的な見方
・死について考えてしまう、自殺を考えている
・睡眠障害(不眠、睡眠過多)
・食欲減退
・イライラする
・引きこもりがちとなる
・お酒の量が増える
・身だしなみがいつもよりだらしない

自分では気がつかない事であっても、
周囲の方が気が付く事も多いです。

家族や友人、同僚などから「疲れてない?」
「眠れている?」等の声があれば、耳を傾け、
休養をとったり、医療機関に相談する等、何らかのサインとして受け止めて、
自分を見つめ直して下さい。

 

 

 

3.高齢者に潜むうつ病 (老人性うつ病)

ここからは、
高齢者のうつ病についてご説明してゆきます。

高齢者は、親しい人たちの死別、孤独感、
逆に同居等による生活の変化、病気等による健康の不安等から、
うつ病になってしまう事が多いです。

そして、身体の症状(内科的疾患等)が強調されてしまい、
うつ病であることが見落とされがちです。

さらに、認知症と間違われてしまうケースもあります。

このように高齢者は成人と比較して、
診断に対してさらなる注意が必要となってきます。

 

 

3-1高齢者うつ病の特徴

高齢者のうつ病では、
「気分が落ち込んでいる」といった、
精神的な症状よりも、めまい、ふらつき、
手足のしびれ等の、訴えが多いです。

また、腰痛、頭痛、身体のだるさ等、特に原因がなく、
なんとなく身体の調子が悪い、といった訴えが特徴です。

さらに、「物忘れが増えた」と言う事が多くなったり、
最近口数が少ない、好きだった事の興味がなくなる、
なんとなく元気がない、といった様子も見られます。

これは、認知症の症状としても当てはまります。

高齢者のうつ病では、周囲の人も本人ですら、
「年だからしょうがない」と考え放置していたり、
たとえ受診しても精神症状よりも、身体の痛みや不調を、
訴えることが多く、見過ごされやすいです。

重症になってから、初めて気が付くケースもあり、
高齢者のうつ病では、自殺率が高いです。

高齢者は脳血管の病気に関連する、
「血管性のうつ病」も多い等、身体の合併症や、
様々な背景に、うつ病が隠れてしまいやすいです。

医師であっても、
「老人性うつ病」と「認知症」の判断は、
難しいものとなっています。

これが高齢者のうつ病の特徴と言えます。

様々な症状が助けを求めている
「サイン」であると言えます。

 

3-2高齢者うつ病の治療と予防

高齢者であっても、
治療法は成人と同じであり、(2.2-1参照)
「十分な休息」「薬物療法」が大切です。

薬物療法の特徴として、
高齢者は、薬を代謝する肝臓や腎臓の機能が低下おり、
成人と比べて薬の量は少ないです。

そして、様々な疾患により多種の薬を飲んでいる事があり、
薬の調整も非常に難しい、といった面があります。

入院治療等において回復しても、
それに伴い、帰る場所の環境を変えなければ、
うつ病を繰り返してしまう確率が高いです。

独居で孤独を感じているのであれば、訪問看護や、
デイサービス等で、人との繋がりを整える援助が、
必要となってきます。

高齢者はうつ病の原因や症状が、
自分でも気が付かない事が多いので、
成人以上に、周囲の援助や回復後の調整が必要です。

日頃より孤立しない人間関係を築かせることも、
うつ病予防の一つと言えます。

そして、大切な事の一つとして、
かかりつけ医に相談して下さい。

普段からかかりつけ医がいると、
いつもと違う変化に気が付いてくれますし、
柔軟に対処してくれます。

外に出たがらないのであれば、
往診をお願いする事が出来るかもしれません。

病院に行くときは一緒について行ってあげて下さい。

成人、高齢者共に言える事ですが、
助けを求められる雰囲気や環境も必要です。

・買い物等、日常の援助をしてあげてください。
・無理に散歩(日光浴)にもいかなくて良いです。
・本人がプレッシャーに感じる事は必用ありません
・やれる事をやるだけでいいんです。

 

 

 

4.まとめ

うつ病は非常によくある疾患で、
誰でも鬱になってしまう可能性はあります。

うつ病は病気であって、それが弱い事、
弱い人間だから、罹ってしまうのではありません。

そして、
落ち込んでいる間に心を回復させている
あくまでも心を回復させているから、
苦しさも伴っているのです。

心にもしっかりと自然治癒力があり、
必ず回復します。

大丈夫、良くなります。

温かくて、ぬくもりのある、
満たされた気持ちに戻れる日が必ず来ます。

大丈夫、信じて下さい。

あなたが、家族が、
一緒にいてくれるだけで十分な時もあります。

寄り添ってあげて下さい。

 

 

 

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