大切!高齢者の正しい姿勢とは

jrperes / Pixabay

姿勢、それは高齢者だけでなく、
老若男女問わずに、とても重要です。

姿勢が悪いだけでも、
様々な病気の引き金となってしまいます。

そして、姿勢を正すだけで、
心(精神)にも多大な効果があります。

そしてここでは、
筋力トレーニングやストレッチ、
ともかなり違った方法でご説明いたします。

「昔ながらの、本来の身体の使い方」と言えるでしょう。

ここでの説明は、高齢者だけでなく、
子供や大人、医療者、健康な方も含め、
多くの皆様に参考として頂きたいです。

私も医療現場において姿勢の大切さを、
実感せずにはいられませんでした。

様々なチームとの連携、武道をしていた経験等から、
実践で役に立った身体の感覚も含め、
ご説明してゆきます。

 

 

 

 

1.姿勢って何だろう?

「姿勢」と聞いて、解るようで解らない、
そんな返答もよく聞かれました。

辞書で調べてみると、
・体の構え方、防御。
物事対す構え態度、心構え。
・重力に対して、バランスを取っている時の身体の姿。
・姿勢は年齢、性、人種などによって異なり、
正しい姿勢は何かということは難しい。

等、様々な説明が出てきます。

確かに、人種や国、地域によっての違い、環境、生活習慣、民族的な体形等、
考えてみると一つの「姿勢」という形、にこだわってしまう事は、
ある種の固定観念かもしれません。

しかし、人体(身体)を持っているからには、多少「型」の違いはあっても、
基本的な部分で共通している「限りなく正しい姿勢」
「人間としての本来の形」に近づける事は非常に重要と言えます。

心と身体、ここがどれだけ、バランスの取れた状態に保てるか、
さらに向上させる事が出来るか、
否、身体本来の素晴らしさ思いださせる事が出来るか
と言った方が正しいと思われます。

ともかく、
姿勢一つで心身ともに大きく改善させる事が出来ます!

さぁ姿勢の大切さを学んでゆきましょう。

 

1-1.悪い姿勢って?

きっぱりと言える事は、
姿勢が悪い事で、身体に良い事は何もありません。

勿論(心)精神にもです。

悪い姿勢と、ネットや書籍等で調べても、
様々な姿勢の例が掲載されていますね。

1

図1.引用元:http://fukumashi.com/fuku/%E5%A7%BF%E5%8B%A2%E3%81…

・猫背=頭が前に出て、背中が丸まっている状態。
猫背にもいくつかのタイプがあります。

・腰突き出し姿勢=お腹が出て、腰が反っている状態。

・胸突き出し姿勢=一見綺麗な姿勢に見えますが、
突き出た胸と、まっすぐな首が身体に負担をかけています。

他にも、背骨の歪み、前傾姿勢、背骨真っすぐ姿勢等、
沢山の悪い姿勢があります。

共通して、体幹が弱いという面もあります。 

体幹=人体を木に例えた場合「幹」の部分と言えます。

身体の中心に集まる筋肉(腹筋、胸、背筋、肩甲骨等です)

背骨は体を支える為にとても大切な部分です。

背骨には神経の束が入っており、
その神経が圧迫されてしまうと、
身体に様々な弊害を及ぼしてしまいます。

逆に正しい姿勢でいれば圧迫されず、
身体の機能を正常に働かせてくれます。

さらに、悪い姿勢を続けていると、
神経が圧迫されイライラしたり、落ち込みやすくなります。

姿勢が悪いと「鬱」にもなりやすいと言われています。

それだけ姿勢は、
肉体的、精神的な部分=健康に大きく影響を及ぼすのです。

 

1-2.精神と肉体への影響

では実際に姿勢が悪いと肉体、精神に、
どの様な悪影響があるのでしょうか?

 

・睡眠障害、血行不良

姿勢が悪いと骨格が歪み、血行も悪くなります。

普段から骨の歪みや血行不良があると、
身体に痛みやコリの状態が続いてしまうで、
熟睡が出来ない等、睡眠にも影響してしまいます。

痛みやコリ、があるとリラックス出来ない状態であり、
なおさら睡眠にも影響があります。

血流が悪くなることは、
身体のエネルギーの元となる栄養と酸素、
の供給にも影響を及ぼしてしまい疲労感を発生させます。

 

・内臓(肺や消化器官)に与える影響

姿勢が悪いことで、
背骨が歪み、肺や内臓を圧迫してしまいます。

肺の能力が低下すると、身体の酸素不足を引き起こし、 疲労感が現れてきます。

又、呼吸が浅くなり集中力が低下したり、
イライラの原因ともなります。

消化器官も圧迫によって、十分に機能出来ず、
疲労、体力の低下、便秘等の様々な影響があります。

 

・肩こり、頭痛

特に猫背の姿勢は、背中と腰、頭を支えている首に、
大きな負担を与えています。

悪い姿勢を続けている事でコリや痛み、
頭痛やイライラを引き起こしてしまいます。

 

・むくみ、冷え

身体の循環機能の低下でおこる症状で、
悪い姿勢も、循環機能を低下させる要因の一つです。

特に、下半身のむくみ、冷えは、
悪い姿勢が大きく関係しております。

悪い姿勢が原因でむくみ、冷え性になっている方は、
ふくらはぎを含む下半身の筋肉が硬いため、
体が前に曲がらず姿勢が悪い状態となっています。

 

 ・肥満

姿勢が悪いと内臓の働きの低下し、
消化や吸収が効率良く出来ません。

悪い姿勢での酸素不足や血行不良は、代謝を低下させてしまうので、
太りやすくなってしまいます。

過去10~15年の統計によると、
子供の肥満率が2~3倍に増加しております。

食生活や運動等も原因の一つではありますが、
姿勢も影響しています。

姿勢によってエネルギー消費率が、
10%前後変化していると言われております。

 

 ・心(精神的)

姿勢を保つ背骨は様々な神経の束が入っている
とても大切な部分です。

姿勢が悪く、うつむき加減で下ばかり見ていると、
視界や意識も狭まり、考えも下向きとなってしまいます。

うつむき加減で首の神経を圧迫してしまうと、
周辺の血流や神経伝達にも支障をきたし、
脳の機能低下を起こしやすくなります。

鬱病等の、精神的な病に罹るリスクも増えてしまいます。

臨床の現場でも、
鬱病の患者さんが回復する過程に置いて、
回復前、回復後では姿勢にかなりの違いがありました。

また、姿勢には心の状態がとても表れています。

悲しい時、嬉しい時、落ち込んだと時、
元気いっぱいで活き活きしている時の姿勢は、
全然違っていますね。

背中が丸まって、いつもうつむき加減の人は、
自信があるように見えませんよね。

ですので、自分の感情とは関係なく、
良い姿勢を維持する事がとても大切となってきます。

 「良い姿勢をクセつける」事が、
非常に大切なポイントです。

以上のことからも、
循環、血流、内臓、圧迫、そして心、
姿勢には心身共に全てがつながっていると言えます。

「姿勢」見落とされがちですが、
とても重要なのです。

 

1-3.悪い姿勢の原因

 では「姿勢」を悪くする原因として、
どの様なことがあるのでしょか?

いきなり主要な原因を言ってしまうと、
それは、「生活習慣」と言えます。

付け加えると、「現代の生活習慣」と言えるでしょう。

多くの原因として、
・PC操作やスマホ、ゲーム等による、
同一姿勢を長期間継続してしまう事や、反復運動をくり返す事で起きます。

・筋肉が硬くなり、不自然な姿勢のまま身体の歪みを作ってしまいます。

・筋力低下によって、良い姿勢を保てなくなってしまいます。
ただ単に背中側の筋肉を鍛えれば良い、といった事ではなく、
骨盤や体幹の筋肉等、人によって様々であると言えます。

・落ち込みやすい性格
普段からネガティブな考えを持っていると、やはり姿勢にも表れてしまいます。

 姿勢は体内のコルチゾール
というホルモン分泌にも影響を与えます。

身体器官を圧迫すると、「コルチゾール」
といったホルモンが増えて、そのホルモンバランスが崩れて、
ストレスを感じやすくなってしまいます。

コルチゾール=コルチゾールはストレスに反応して分泌されます。

抗炎症作用、血糖値上昇、
不眠症やうつ病とも関係があります。

ストレスから体を守るための「抗ストレス反応」
として分泌されますが、かなり強いストレスを体験すると、
コルチゾールの分泌量が激増してしまい、
強いうつ症状となってしまう事があります。

 

 

 

       

2.高齢者における姿勢の特徴

老化は加齢に伴って生じる、
ごく自然な全身機能の低下と言えます。

それまでの生活習慣を基盤とした影響や特徴、
疾患等も含め、身体的、精神的に、
環境の変化に適応する能力が減退する時期です。

個人差も大きいですが、
特徴として多い「姿勢」に及ぼす影響を、
挙げて説明します。

筋力、感覚、関節

・筋力低下

加齢や活動の低下によって、筋力が低下してゆきます。

他にも、栄養摂取量、ホルモンとの関係等、
様々な要因によって影響しております。

運動量や体質等、人によって個人差はありますが、
筋肉量の減少は30歳前後から始まります。

筋肉量は75~80歳までに、
若い頃(20~30代)の半分になると言われております。

加齢に伴う椎骨や椎間板の変形、
腰や背中の筋肉量減少により背中が曲がり、
上体が前かがみになりやすくなります。

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図2.引用元:http://www.sarameekspt.com/postural_change.asp

 

感覚器官(平衡感覚、視覚、聴覚、)

運動機能のバランスを保つ為の、
小脳にある神経細胞が低下し、 平衡感覚の維持が難しくなります。

脳からの伝達物質が減少し、
感覚神経や運動神経の伝達速度は遅くなります。

 

・関節可動域の制限

筋肉の低下や関節の硬化により、柔軟性が低下します。

これら複合的な原因によって
高齢者の姿勢の特徴が形成されております。

 

 

 

 

3.正しい(良い)姿勢とは

 ネットや様々な書籍を見ると、
顎を引く、重心を意識する、壁に背中をつける、胸を張る、背筋をしっかりと伸ばす等、
なんだか急に身体がガチガチになってしまう、そんな窮屈な感覚になってしまいがちです。

確かにそれらの方法でも間違っていませんが、
本当に子どもから、大人、老人まで、大切にしなければならない「姿勢」って
どのようなものなのでしょうか?

まずは下記、図3.4.も日常生活のなかで、
なんとなく意識して行ってみて下さい。

 

3-1.立っている、座っている

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図3.引用元:http://www.painmanagement.org.uk/blog/poor-posture-how-to-correct-it

 つま先を少しだけ広げ、踵はつけた状態です。

壁に後頭部、肩、お尻、ふくらはぎ、踵を、
つけるようにして立ってみて下さい。

立ち姿勢の正しい姿勢となります。

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図4.引用元:http://www.pdhotspot.com/how-to-improve-your-posture/

椅子に座った時の膝の角度が90度、
になるのが理想的といわれております。

パソコン画面を見る場合は、水平や見上げる状態ではなく、
やや下に見る角度で姿勢を保って下さい。 

 

3-2.理想の姿勢「立腰」(りつよう)

 ここからが、いよいよ本題です。

くり返しにもなりますが、ストレッチや筋トレも効果があり、
素晴らしいトレーニングです。

私がこれからお話しする姿勢と、
目指す到達点も同じかもしれません。

しかし、私の求めている「姿勢」とは、
その過程や、心の方に重きを置いているため、
ゴールに向かう方法が違います。

では「立腰」(りつよう)を説明してゆきます。

聞いたことがない?何だろう?
と思う方もいるかもしれません。

立腰とは、森信三(もり のぶぞう)氏が提唱された方法です。

 

信三

1896年(明治29年)9月23日 ~1992年(平成4年)11月21日)
日本の哲学者、教育者。

一言で言では言い表せない偉大な方です。

「立腰」を簡単に説明すると、
一、腰骨を立て 二、アゴを引き 三、
つねに下腹の力を抜かぬこと この3点に凝縮されます。

森信三は「腰骨を立てるという姿勢」について、
次のように言っています。

「およそ、古来東洋において道と名の付くものは、いやしくも茶道や華道、踊りや謡曲等の芸能に始まり、さらに弓道や剣道等の武道にいたるまで、全てこの根本の姿勢というか態度を厳しく言ったものであります。私が提唱し力説するこの「立腰道」、すなわち「腰骨を立てる」ということは、単なるわたくし一人の個人的な、体験に根ざすものではないのでありまして、実は民族の長い歴史的伝統に根ざす全ての求道の中に、すでに内包せられている真理であります。否、むしろ東洋における「道」の中に浸透し、伝承せられてきた人生の具体的真理と言って良いでしょう。・・」

「人間は心身相即的存在ゆえ、 性根を確かなものにしようと思えば、 まず躰から押さえてかからねばならぬ。 それゆえ二六時中、「腰骨を立てる」以外に、 真に主体的な人間になるキメ手はない。 「腰骨を立てる」ことは、 エネルギーの不尽の源泉を貯えることである。 この一事をわが子にしつけ得たら、 親としてわが子への最大の贈り物といってよい。 一、腰骨を立て 二、アゴを引き 三、つねに下腹の力を抜かぬこと 同時にこの第三が守れたら、 ある意味では達人の境といえよう」

と言っております。

難しく感じるかもしれませんが、
何度も読み返すと深さが解ります。

では具体的な効果とは、 

1.やる気がおこる
2.集中力がつく
3
.持続力がつく
4.行動が俊敏になる
5
.内臓の働きがよくなり、健康的になる
6
.精神や身体のバランス感覚が鋭くなる
7.身のこなしや振る舞いが美しくなる

まさに万能薬といっても過言ではありません。

では図6、7を見て下さい

図に記載されているとおり、
やり方自体は難しくありません。

図6.がさらに解り易いと思います。

1.座った際にお尻をしっかりと引きます。

2.腰骨を突き出します。
この時点で身体が窮屈に沿っている感じですね。

3.顎を引く。

4.下腹(丹田)に力を入れる(丹田を意識する)

丹田はかなり奥深く、
丹田と検索するだけでも、かなりの説明が出てきます。

5
引用元:図5.http://丹田鍛え方.com/wp-content/uploads/2015/07/丹田.jpg

 

6 7

図6.https://matome.naver.jp/odai/2139411505667259601

図7.http://www.osu-kaifuku.com/blog/archives/date/2015/03

腰にくびれを作る感じですね、
意識的に反らそうとする感覚になります。

現代人は姿勢が悪い方が多いので、
立腰をすると、初めは痛みを感じます。

数日~数週間で痛みに慣れます。

学校教育でも取り入れられており、
かなりの効果を発揮しております。

是非とも、実践あるのみです。

これだけで良いのでまずは数週間やってみて下さい。

今までの、ストレッチや筋トレとは違った感覚、
違った心に、気が付くはずです。

 

 

 

4.高齢者が目指す「姿勢」

ここまで「姿勢」について、
少し変わった視点からも、ご説明いたしました。

では、高齢者において、
どのように活かせば良いのでしょうか?

「立腰」を軸としてご説明してゆきます。

 

 ・高齢者の食事

高齢になると飲み込む筋力の低下だけでなく、
様々な疾患から誤嚥が多くなります。

誤嚥(ごえん)=食べ物を飲み込んだ時に、気管に入ってしまう。

・咽頭などに残っていた食べ物が気管に入ってしまう。
・唾液が気管に入ってしまう。

誤嚥によって肺炎を起こしてしまったり、
命を落としてしまう事もあります。

食べ物の形態を変えたり、口の中の清潔を保ったり等、
大切な事はありますが、やはり食べる時の姿勢も、
重要となってきます。

 

・椅子に座れる状態であれば(車イスも含む)

出来るだけ足を地面やフットレストにつける。
(出来れば地面)

しっかりとイスの奥まで座る。

腰に枕やクッションを入れて、腰骨を反る。

出来るだけ図6.7.の形に近づける事が大切で、
テーブルの高さなども、なるべく調整して下さい。

ベッドであっても、出来る限り図6.7.を参考として、
試してみて下さい。

姿勢を改善させる援助により、
普段から何らかの介助が必要な高齢者は、
「腕が口まで上がらない」
「腰が痛い」「自力で食べられない」等、様々な事が起きます。

なかなか理想通りにはならない現状、
もあるかと思いますが、出来るだけ近づける事を意識してみて下さい。

 

・普段座っている時

食事の時は無理でも、
普段の生活で何気なく座っている時でも、
可能な限り行ってみて下さい。

それによって、食べ方、飲み込み方だけでなく、
表情、発声、活気等、さまざまな変化が見られてきます。

 

・歩き方

  実は、あまり「歩き方」に意識を置かなくても良いです。

「立腰」による「座り方」を意識すれば、
自然と歩き方も綺麗になり、疲れにくい、
「形」となってゆきます。

自宅等でも、何らかのサービスを受けながら、
自立に近い生活をされているのであれば、
さらに改善の可能性は高いと言えます。

出来る範囲で行って下さい。

一生行えるメソッドです。

注意点としては、無理には行わないで、
ゆっくり、少しずつ、出来る範囲で行ってゆく。

様々な疾患に伴い、かえって腰痛などが、
悪化してしまう事もあるので、
場合によっては医療機関に相談する事も必要です。

 

 

 

 

5.まとめ

ストレッチ、筋トレ、座禅等、
私自身も含め、私が関われる範囲で、
様々な方法を試した方々とお話ししました。

皆、一つ一つの方法を数カ月~数年の期間をかけて…。

勿論、他にも素晴らしい方法は多々あるでしょう、
これが全て、絶対なんて物、事はありません。

しかし、私なりに、たどり着いた一つの答えが、
「立腰」です。

現代人にとっては非常に重要だと思います。

本当に色々な方法もありますが、
「この一本」を癖になるまでやり続け、
その感覚を身体が覚えてしまえば、それで十分だと思います。

現在の状態を維持、向上できるだけでなく、

身体の新たな機能の可能性に気が付くかもしれません。

「立腰」をして良く聞かれる精神的変化は、
何かに迷った時の決断力が向上したと聞きます。

頭、ではなく、お腹、に聞く感じですね。

実は頭よりも身体(丹田)の方が圧倒的に、
正しい答えを知っています。

高齢の方だけでなく、健康な方、子供から大人まで、
互いに愛情を込めて行ってみて下さい。

伝える相手にも、
自分の身体にも愛情を込める事で、
効果はグングンと本当に高まります。

心より応援しております。

 

 

 

 

 

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