高齢者における腎不全

geralt / Pixabay

腎臓にも様々な機能があり、
命を支える上でとても大切な臓器です。

さらにデリケートでもあります。

それゆえに、様々な腎疾患があり、
苦しんでいる方々も多いです。

日本では慢性腎臓病、の患者が約1,330万人、
いると考えられ、国民病とも言われています。

ここでは、
基本的な腎臓の働きから、疾患、
そして、高齢者に及ぼす影響を、
ご説明してゆきます。 

 

 

 

1.腎臓の働きとは

腎臓も様々な臓器と連携し、
その役割を果たしております。

命と直結している、とても繊細な腎臓です。

まずは「腎臓」を知ってみましょう。

 

1-1腎臓の構造

腎臓の位置は、背中側で腰の少し上あたり、
左右にあります。(右腎と左腎)

ソラマメのような形をした臓器で、
長さ12cm、幅5cm、厚さ3cmです。

重さは130g~150g程あり、成人の握りこぶし程の大きさです。

1つの腎臓は「ネフロン」と呼ばれる、
構造で約100万個集まって出来ています。

ネフロンは小さな濾過装置の「糸球体」と、
糸球体からつながる「尿細管」という管でできています。

尿細管は「集合管」へ続き、腎盂へつながっています。

さらに腎臓は、皮質と髄質に解れています。

腎皮質は外側、腎髄質は内側にあり、
円錐状に分かれています。

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・「腎臓」             ・右上の図が「ネフロン」
引用元:http://kannpachi.net/archives/302

 

1-2腎臓の役割

腎臓の主な機能として、

1、血圧の調整
2、老廃物の除去
3、造血ホルモンの分泌
4、体液・電解質バランスの調整
5、骨の形成
等の機能が挙げられます。

 1、血圧の調整

腎臓は、塩分と水分の排出量をコントロールして、
血圧を調整しています。

血圧が高いときは、塩分と水分を排出させて血圧を下げ、
血圧が低いときは、塩分と水分の排出量を減少させ血圧を上げます。

さらに血圧を維持するホルモン(レニン)を分泌する事も出来、
そのホルモンによっても血圧を調整します。

腎臓と血圧は密接に関係しております。

腎臓の疾患によって、腎機能が低下し、
血圧の変動も大きく変わってきます。

 

2、老廃物の除去

腎臓は全身を巡る血液を濾過し、
老廃物や塩分取り除き、尿として体外へ出してくれます。

腎臓が1日に濾過する血液の量は約150ℓであり、
この機能は重要な役割の一つです。

体外に排出するだけでなく、体に必要なものは再度吸収し、
体内に留めるという働きもしてくれます。

腎臓の機能が低下すると、尿が出なくなり
老廃物や毒素が体に蓄積して、
身体に多大な影響を及ぼしてしまいます。

 

3、造血ホルモンの分泌

さまざまな造血ホルモンを分泌しています。

血液は骨髄の中にある細胞が、
腎臓から放出されるホルモン(エリスロポエチン)の刺激を受け、作られます。

エリスロポエチンは、
造血ホルモンで赤血球の生産を促します。

腎臓の機能が低下すると、
このホルモンの放出量が減少して、
血液が十分に作られず貧血等、様々な影響を及ぼします。

 

4、体液、電解質バランスの調整

腎臓は身体の「電解質」や体液のバランスを調節したり、
体に必要とされるミネラルを、取り込む役割もあります。

体内の水分量が多い場合は、
血液中の水分を尿として排泄します。

逆に、汗を掻いたり、下痢等で、
水分の量が減少した時は、尿が生成を抑えます。

又、腎臓の機能が低下すると、
体液、ミネラル、電解質のバランスが崩れて、
身体のむくみや、疲れや、ふらつき等、
さまざまな不調が現れます。

電解質(イオン)=ナトリウムNa ・カリウムK ・クロールCl
・カルシウムCa ・マグネシウムMg 等があります。

 電解質:詳しくは同カテゴリー内の「高齢者、脱水症の危険性」
   を合わせて読んで頂くと、参考となります。

 

5、骨の形成

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、
骨に沈着させて丈夫にするために必要です。

腎臓は、カルシウムを体内に吸収させる為に必要な、
活性型ビタミンDを作っています。

腎臓の機能が低下すると、活性型ビタミンDが減少し、
カルシウムが吸収されなくなり骨が弱くなる、
等の症状が出てきます。

サプリ等からビタミンDを摂っても、
腎臓の働きが正常でなければ、
身体への吸収率はかなり低下しています。

 

 

 

2.様々な腎臓の病気

腎臓にはとても多くの病気があります。

症状や経過等も異なり、種類によっては、
内科、泌尿器科、小児科等、受診する科も違ってきます。

原発性、続発性急性、慢性等
腎臓の病気と言っても、
全く異なる性質があると考えて下さい。

原発性=腎臓自体に何らかの問題が起きて病気になります。
続発性=糖尿病、痛風、高血圧等、

腎臓以外の病気が原因となって起こります。

急性=症状が急激に出て、悪化します。
慢性=ゆっくりと静かに進行します。

代表的な腎臓病

腎臓病には小児も含め、様々な種類があります。

ここでは代表的と言われている、
腎臓病について簡単にご説明してゆきます。

・急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅたいじんえん)

急性上気道炎を中心とする何らかの感染が原因で、
糸球体に炎症を起こした状態です。

血液を濾過する糸球体が炎症を起こすと、
濾過出来なくなります。

それによって、水分、塩分が過剰となり、
尿量減少、むくみ、等の症状が現れます。

糸球体も傷つくので、
血尿や蛋白尿も見られます。

 蛋白尿=尿中に一定量以上の蛋白質が混ざっている状態です。

 

・慢性糸球体腎炎

慢性糸球体腎炎は、急性の発症後から回復しないか、
蛋白尿もしくは血尿が続く状態です。

初期には自覚症状がほとんどない、と言われております。

血尿及び蛋白尿が、通常1年以上にわたって続く状態です。

急性糸球体腎炎と似た症状が多いです。

 

・ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は、尿に多量の蛋白質が出てしまうため、
血液中のアルブミンという蛋白質が減り、その結果、
むくみが起こる疾患です。

原因として、糸球体腎炎が多いですが、
糖尿病性腎症、薬剤やアレルギー反応等も、
一つとしてあります。

 

・糖尿病腎症

糖尿病の患者さんで治療がうまくいかず、
血糖の高い状態が10年以上も続くと、
全身の動脈硬化(動脈が硬くなり血液の流れが滞る状態です)が進行し始めます。

簡単に説明すると、動脈硬化によって、
腎臓の血管が詰まってしまい、
尿が作れなくなってしまいます。

透析を開始する患者の、5人に2人は、
糖尿病性腎症の患者であることから、
大きな問題となっています。

原因は解っており、
血糖をしっかりとコントロール出来れば予防できます。

 

・水腎症

子供の水腎症の原因は先天的な狭窄がほとんどです。

大人になってからでは、
腫瘍、結石、前立腺肥大等、様々な原因によって、
尿を膀胱に運ぶ道が閉塞してしまい、
尿が体外に排出されなくなってしまいます。

それにより、いつまでも尿が体内に留まってしまい、
腎臓に圧力が加わってしまいます。

結果、腎臓の一部を拡張変形させてしまった状態を呼びます。

症状として、血尿、嘔吐、発熱、腰部の痛み等、
様々あります。

 

・腎硬化症

腎硬化症は、高血圧が原因で、
腎臓の血管に動脈硬化を起こします。

血管だけでなく、腎臓そのものも硬化します。

高血圧が長く続くと、
糸球体へ、血液を送る動脈に圧力がかかり、
血管の内腔が狭くなります=細動脈硬化と言います。

糸球体は硬化し、腎機能が低下して慢性腎不全に至ります。 

症状に、肩こりやめまいがありますが、
自覚症状は少ない事が多く、検査にて、
高血圧や蛋白尿に気が付き、発見されることもあります。

原因は高血圧であり、高血圧を引き起こす、
ストレス、喫煙、飲酒、食事等の環境因子が考えられます。

 

・腎盂腎炎

腎盂内で細菌が繁殖し、
腎盂や腎臓にまで炎症が及んだものを言います。

背中や腰の痛みが(患側腎部)主な症状で、
腰背部叩くと痛みが認められます。

膀胱炎による、頻尿、排尿痛も見られることが多いです。

他にも吐き気、全身がだるさ、38℃以上の発熱が多く、
症状が重症化すると、意識障害が見られることもあります。

原因は尿道の出口から侵入した細菌が、
膀胱内で増殖します。

その増殖した菌が、尿の通り道をさかのぼり、
腎盂に達し、炎症を起こします。

主に大腸菌等の腸内細菌が原因で起こります。

 

・腎腫瘍

腎尿細管から発生する腺癌であり、
発生頻度は、人口10万人あたり2.5人程度で、
男女比は2~3:1で男性に多い傾向があります。

腺癌=
身体の各臓器にある、
分泌腺組織に発生する癌のことを言います。

胃液、胆汁等、臓器にはさまざまな分泌腺があり、
この分泌腺組織に発生する癌です。

症状として、側腹部(脇腹)の痛み、大多数は痛みのない血尿、
又、大きくなった癌に直接触れて気が付く等があります。

原因として、
遺伝、利尿剤等の長期服用、人工透析、
喫煙や脂肪分の多い食事等、と言われています。

 

 

 

3.慢性腎不全とは

まず、「腎不全」を一言でいうと、
腎臓の機能が低下して正常に働くなった状態です。

腎不全の経過により、急速に進行するものを急性腎不全、
緩やかに進行するものを慢性腎不全といいます。

腎機能の働きが、
50~60%以上失われた状態を腎不全といい、
現在では総称して慢性腎不全と呼びます。

まとめると、
慢性腎不全とは、慢性的な腎臓疾患によって、
腎機能が数ヶ月~数年かけて徐々に悪化する事です。

先ほど代表的な腎臓病についてご説明いたしましたが、
腎臓の病気にはまだまだ沢山あります。

そして、その全ての腎臓病が、
慢性腎不全の原因となりえるのです。

 

3-1原因、症状

・原因

ほとんどの腎疾患が、慢性腎不全に移行する可能性があります。

その中でも多いのが、糖尿病腎症です。

他には、高血圧による腎硬化症、感染症による腎盂腎炎等も、
原因疾患として多く見られます。

上記の事より、遺伝的要素もありますが、
生活習慣も大きく関係していると言えます。

肥満、飲酒、喫煙、ストレス、運動不足等、
そのまま慢性腎不全の原因疾患に繋がってきます。

慢性腎不全は生活習慣病の一つ、
として扱われるようになっています。

 

・症状

腎機能がある程度残されている間は、
自覚症状があまりありません。

さらに数ヶ月~数年かけて徐々に進行する為、
身体自体も症状に慣れてしまい、
自覚症状のない事も、発見が遅れる原因の一つです。

初期症状で多く見られるのが、尿量の減少です。
軽度のむくみもありますが、なかなか気が付きません。

腎機能が30%~50%以下に低下すると、
手足のむくみが現れます。

さらに、15~30%以下になると、疲労感、息切れ、
貧血等、様々な症状が出現します。

腎機能が10%以下になると、
人工透析治療を開始する目安と言われています。

人工透析治療=腎臓で血液の濾過が充分に行えず、
水分や老廃物のコントロールができなくなる為、
人工的に血液の濾過を行うのが、透析療法です。

ここで急性腎不全についても、
ご説明いたします。

何らかの原因によって、
数時間~数週間の間に腎機能が急激に低下します。

尿量の減少が多く見られ、
尿が全く出ないという状態にもなります。

症状は多彩であり、全身むくみ、体重増加、
肺にも水分がたまり、呼吸困難を起こすこともあります。

有害な物質が蓄積される為、
全身のだるさ、吐き気、嘔吐、食欲低下、
脱力感等が起こります。

さらに進行すると、有害な物質が脳にも影響を及ぼし、
けいれん、意識障害、昏睡状態などを起こし、
危険な状態になる場合があります。

原因としては、
腎前性・腎性・腎後性、の大きく3つに分けられます。

・腎前性=原因の中ではもっとも多く、
様々な要因によって、腎臓の血流が減少し起こります。

・腎性=腎臓そのものに原因がある状態です。

・腎後性=腎臓より下部に位置する臓器(尿管、膀胱、尿道)に原因がある状態です。

 

3-2検査、診断

腎臓病の種類によって、検査内容が異なりますが、
一般の会社等で行っている健康診断でも、
腎臓病が発見されることが多いです。

実は70%の方が健康診断によって、
腎臓病が見つかっていると言われております。

 

・尿検査

尿を採取し、血液や蛋白質が漏れ出ていないかを検査します。

正常な尿に、蛋白質が出ることはほぼありません。

しかし、腎臓の機能が低下すると、
必要な蛋白質が腎臓で再吸収されずに、
尿に混ざり出てしまいます。

尿は、腎臓の働きや尿路に起こる異常を表す重要な検査です。

他にも尿糖検査、潜血反応等によって、
腎機能を調べ、基準値等と比較しながら診断します。

潜血反応=肉眼ではなかなか解らない、
尿中にわずかに混じっている血液を調べます。

 

・血液検査

健康診断等で、一般的に行われる検査です。

腎臓の機能を確認します。

腎臓は血液中の老廃物を濾過して、
尿として身体の水分を調整します。

血液の検査項目にある、
尿素窒素、クレアチニン、尿酸は、老廃物です。

中でも重要となってくる項目が、クレアチニン値です。

・尿素窒素(BUN)=蛋白質が利用された後にできる「残りかす」の様なものです。

・クレアチニン(Cr)=筋肉で作られる老廃物の一つで、
ほとんどが腎臓の糸球体から排泄されます。

・尿酸=私たちの体の中に常に存在しています。
産生量と排泄量のバランスにより一定量に保たれています。

血液中に含まれるこれらの値を測定し、
腎機能が正常であるかを診断します。

 

・画像診断

超音波検査、腹部のCT等、
腎臓の形、特にサイズの有無を調べます。

急性腎不全では、腎臓の大きさが正常、又は腫大が見られます。
慢性腎不全では、異常な物質が蓄積される疾患を除き、萎縮が見られます。

 

・腎生検

腎臓組織の一部を切り取り、顕微鏡で検査します。

腎機能に異常がある場合は、正しい診断をつけて、
適切な治療法を決定するために、必須な検査と言えます。

 

3-3治療、予防策

慢性腎不全は進行性の病気です。

治療によって、多少の変動はありますが、
治癒する事はありません。

目標としては、合併症等も含め、
少しでも進行を緩やかにして、
透析治療への移行を遅らせる事と言えます。

 

1.食事療法

食事療法では、水分量、カロリー、タンパク質、塩分制限、
又、カリウムリンの排出が困難となるので制限が必要です。

 ・カリウム=ミネラルの一つで、
体内のナトリウムを排出する働き等があります。

・リン=ミネラルの一つであり、
タンパク質の働きを助け、糖質の代謝等を促します。
丈夫な骨や歯を形成するのもリンの役割です

 医師や栄養士の指導の下、適切に摂取する事が必要です。

 

2.薬物療法

腎不全を完治させる薬はありません。

症状の緩和や、進行を緩やかにしたり、
様々な合併症を予防する事が目的となってきます。

降圧薬、利尿薬、ステロイド、漢方薬等、
様々な薬を使用します。

 

3.生活習慣の改善   

腎不全では疲労感、息切れ、貧血等、様々な症状がります。

日常生活では食生活だけでなく、疲れを溜めず、
過度な運動を避けて下さい。

出血が止まりにくく、
あざも出来やすいので怪我や、
特に風邪等の感染症に注意が必要です。

熱、下痢、脱水等、
腎臓に過度な負担がかかってしまいます。

就寝、起床、十分な休息等、
日頃からのリズムをしっかりと保つ事により、
身体の変化にも気が付きやすくなります。

「腎不全の最大の予防策は、引き金となる疾患を予防する為、
食事、生活のリズム、運動等、やはり日常生活の全てと言えるでしょう」

又、人工透析をしながら、仕事をしたり、
元気に生活されている方もおります。

しかし、気候の変化、忙しさ等、
身体に負担がかかりやすい為、無理をしない事が必要です。

 

4.人工透析

腎臓の機能が低下してしまった時、
(腎機能が正常の10%以下に低下)の一つの対処法として、
人工透析があります。

人工透析を行うことによって、
体内の老廃物等の毒素が人工的に濾過、排泄され、
生命を維持することが出来ます。

透析療法は、機械に血液を通して、
血液中の老廃物や不要な水分を除去し、血液を綺麗にします。

一般的に1週に2~3回程度、透析を行える病院等に通います。

身体の大きさや、腎機能の状態でも変わってきますが、
4~5時間程をかけて血液を浄化します。

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引用元:http://group.tokatsu-clinic.jp/dialysis.html

5.腹膜透析療法

お腹の中に透析液を入れ、
自分の腹膜を利用して血液を綺麗にする方法です。

ブドウ糖等を入れた、浸透圧を高めた透析液を腹膜内に入れ、
体内の老廃物(尿素等)をこしとるといったイメージです。

腹膜が浸透膜の役割を果たすので、それを利用しています。

浸透圧=濃度の異なる水溶液を半透膜で隔てておくと、
その膜を通し、水だけが濃度の低いほうから高い方へ移動することを
「浸透」といいます。

そして、その圧力を「浸透圧」といいます。

腹膜透析には、1日に数回(朝、昼、夕、寝る前)に、
「手動で」透析液を交換する方法(連続携行式腹膜透析1回30分低度)
就寝中に器械を使用して行う(自動腹膜透析)の2種類があります。

・メリットとしては、人工透析よりも、医療施設に通う回数が少ない、
会社等でも出来る、透析中もある程度活動出来る等、
自分の時間が取れて、拘束時間が少ない事等です。

・デメリットとして、
自分で行う為、チューブ類等から感染する可能性が高い、
お腹が張る、自分で機材の手配が必要、
透析の回数が多くて、結果束縛されている気持になる事がある。

等、様々なメリットやデメリットがあります。

又、腹膜の状態は一人ひとり異なり、
腹膜透析を続けていると、腹膜の機能が落ちてきます。

腹膜透析が行えるのは長くても、
5~7年程度と言われております。

いずれは人口透析へと移行しなければなりません。

他にも腹膜の機能保護や、患者のリズムに合わせて、
血液透析と腹膜透析を併用する方法等もあります。

図.腹膜透析

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引用元:https://jinentai.com/dialysis/tips/3

 

4.高齢者における腎不全の影響

高齢者は、加齢による様々な身体の変化や、
同時に色々な病気をもっている事が多いです。

その様々な変化の中で、
腎機能の低下も避ける事は出来ません。

腎臓の機能は30歳頃から徐々に低下し、
70代では若年者の60〜70%となります。

高齢者の変化の特徴として、
・筋肉量の低下によって水分貯蔵の役割が減退し、脱水を起こしやすい。
・骨粗鬆症となりやすい(女性の方が多い)
・触覚、痛覚、温度感覚等の感覚機能が低下する。
・身体の臓器は萎縮し、全体の機能低下が起こる。
(心臓等の循環機能、肺等の呼吸機能、動脈硬化、消化機能、
腎機能排泄機能、尿濃縮能、肝機能、呼吸機能、造血機能、
目や、聴力等の感覚機能、筋力、精神的な変化)
等とあらゆる身体機能が変化します。

それに加え、病気を持っている事が多く、
薬を飲む量が増え、さらに腎臓に負担がかかります。

例えば、血液検査を行っても、
血清クレアチニン値は腎機能だけでなく、
筋肉量にも関係しております。

高齢者は一般的に筋肉量が少ない為、
腎機能が悪化していても、血清クレアチニンが、
低値に出ることが多く見られます。

このように検査一つを見ても、
高齢者では潜んでいる疾患を、
見落としてしまう事もあります。

症状においても、
感覚機能の低下によって、ほとんど自覚症状がなかったり、
もしくは、全くの無症状である事もしばしばです。

症状としても3-1で記載した状態と同じですが、
高齢者であれば、全身のだるさ、食欲の不振、吐き気、
不眠、せん妄等、精神面での症状が現れる場合もあります。

しかし、無症状のこともあるので、
定期的な受診を行い検査が必要です。

せん妄=何らかの原因で脳の機能が低下し、
神経伝達が上手く出来ない状態です。

頭が混乱した状態であり、幻覚を見る事もあります。

落ち着かず、興奮して大声を出したり、
暴力的な状態になる事もあります。

腎不全によって、血流の低下や、全身の状態が悪化すると、
せん妄が見られる事があります。

 

5.まとめ

慢性腎不全、
本当に発見の難しい疾患です。

完治はせず徐々に進行して人工透析等、
時間的、精神的にも様々な苦痛を及ぼしてしまいます。

特に高齢者の場合は、症状がはっきりと現れない事、
又、無症状である事が非常に多いです。

普段健康に見えても、
徐々に進行している可能性もあります。

定期的な受診を心掛けて、早期発見、
そして何よりも、腎不全を引き起こす疾患を予防する為、
日常生活を整える事が1番重要です。

 

 

 

 

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